Fiona Tan
フィオナ・タン 

"10 Madnesses"

¥1,600.-
2018
11 x 18 cm
120 ページ
執筆 : フィオナ・タン
デザイン : Roger Willems
協力 : Frith Street Gallery, Wako Works of Art, Ellipsis Foundation
発行 : Roma Publications
Artist Book
ISBN : 978-9-492-81115-8
英語

2017年にロサンゼルスのアーティストレジデンス「Getty Research Institute」で滞在制作した、タン本人の執筆によるリサーチエッセイ。本著では、ルーヴル美術館蔵の『メデューズ号の筏』で知られる19世紀ロマン派の画家、テオドール・ジェリコーが描いた連作『サルペトリエールの精神疾患者たち』についての探求が行われている。

この連作は10枚描かれたといわれているが、現存しているのは5点のみ。それぞれの肖像画に描かれているのは「窃盗狂の肖像」「賭博狂の女」「妬み偏執狂」「軍隊階級の妄想に憑かれた男」「狂人・誘拐者」の5名。うつ病を患ったジェリコーが、パリのサルペトリエール病院を訪れた際に出会った患者たちを描いたといわれているが、詳細はほとんどわかっていない。この病院は当時、パーキンソン病の解明に努め、フロイトに大きな影響を与えた人物として知られるマルタン・シャルコーが院長を勤めており、精神病研究の一大拠点であった。

これらはいったい誰なのか? どのように病んでいたのか? 失われた残りの5人の肖像画はどのような作品で、どこに消えてしまったのか? その空白に惹きつけられたフィオナ・タンが文献の調査や分析をもとに考察を深め、公的なアーカイブの研究と分析と個人的な探求とが交差する、美術史の境界を問うエッセイ。