Miriam Cahnミリアム・カーン 

"rennen müssen 走らなければ"

2016年10月1日(土) – 11月5日(土)

展覧会情報

Miriam Cahnミリアム・カーン 

"rennen müssen 走らなければ"

会 期:

2016年10月1日(土) – 11月5日(土)

この度ワコウ・ワークス・オブ・アートでは、10月1日(土)から11月5日(土)まで、当画廊で4年ぶり2度目となるミリアム・カーンの個展『rennen müssen 走らなければ』 を開催する運びとなりました。カーンが描き続けている人物・植物・建築・動物・風景というモチーフに加え、2015年の欧州移民危機を契機に世界規模の問題となった「難民」をテーマに描かれた作品を含めたペインティング約30点を紹介致します。

ミリアム・カーンは、これまでにべネチア・ビエンナーレでスイス代表に選出されるなど、多くの展覧会で作品を発表しつづけ、2017年にはドイツ及びギリシャで開催されるドクメンタ14への参加も決定しています。70年代にハプニングやフェミニズム・ムーブメントの影響を受けたカーンは、初期の頃には黒鉛を使用して巨大な布に絵を描くといった、パフォーマンス性を同居させたドローイング作品を制作をしていました。そこからペインティング・写真・映像・ドローイングとさまざまな表現手段を駆使しながら、作品の世界感を深めていきます。「私はいわゆる伝統的なペインターではなくパフォーミング・アーティストだ」と本人が語るように、短時間に集中してテーマをダイレクトに描き上げるスタイルは、豊かな表現へと直接的に反映されています。

カーンの作品は、原爆や難民という、重い社会問題に妥協することなく向き合う強いテーマ性を持ちます。それとは反対に、作品の色彩のあざやかさ、高い抽象性など、見方を限定させない視点も作品には備わっています。制作の根幹を担う暴力や社会的な問題といったテーマについては、90年代初頭に起きたボスニア戦争をシリーズ〈Salajevo〉として戦時中に描いたり、チェルノブイリ原発事故の翌年に原子爆弾をモチーフしたシリーズを描くなどと、即時的な関心を寄せ続けてきました。本展でも、近年社会問題になっているヨーロッパでの難民問題を描いた2015から2016年の新作7点を中心に展示致します。

■後援:スイス大使館
■関連書籍:2012年発売「ミリアム・カーン 私のユダヤ人、原子爆弾、そして様々な作品」


※アーティスト・レセプションはございません


ミリアム・カーン Miriam Cahn

1949年スイス生まれ。バーゼル在住。1970年代からパフォーマンスやペインティングなどの作品を発表し、ヨーロッパ各地で展覧会を開催している。 テート・ギャラリー(英国)、ニューヨーク近代美術館(米国)、クンストハレ・バーゼル(スイス)、ボン美術館(ドイツ)、国立国際美術館(大阪)などに作品が所蔵されている。1982年のドクメンタ 7に参加し、1984年にはヴェニス・ビエンナーレのスイス館代表に選出される。2017年開催のドクメンタ 14にも参加予定。