Gerhard Richterゲルハルト・リヒター"Painting"
ワコウ・ワークス・オブ・アートでは、2015年11月10日(火)より、ドイツのアーティスト、ゲルハルト・リヒターによる3年ぶり9度目となる個展を開催します。 作家みずからが「Painting」と名付けた今展では、世界初公開となる最新の油彩画を8点展示します。さらに、2010年に制作を開始した、ガラスにラッカーで描いたシリーズ〈アラジン〉から日本未公開の5点と、さまざまなスナップショット的な写真の上に油彩やエナメルで描く「オーバー・ペインテッド・フォト」と呼ばれる手法による作品も多数展示します。オーバーペインテッド・フォトは、絵画と写真の間を行き来しつつ、絵画とは、絵画性とは、写真性とは何かという考察を続けてきたリヒターのエッセンスが凝縮されたシリーズとして、常に重視されてきました。日本の瀬戸内海を訪れた際の写真を使った作品も展示します。 当画廊でのゲルハルト・リヒター展は、最新デジタル技術を駆使した〈Strip〉シリーズの日本公開となった2012年の個展以来となりますが、油彩画の最新作の公開は、2005年以来10年ぶりとなります。 2012年の個展でガラスの立体作品とともに展示した〈Strip〉のシリーズは、彼の表現を端的にあらわす言葉としてもちいられる「仮象(Schein=シャイン、光)」を生み出す作品として究極的であると評価されましたが、今年発表した11メートル長の作品がシリーズ最後となりました。このStrip以降の動向について注目が高まる中、今回の新作絵画の発表となりました。 ----- ぜひ今展に足をお運びいただき、現代絵画の最高峰とされるゲルハルト・リヒターがめざす絵画の最新形をご高覧いただければ幸いです。 ※開始日が11月10日に変更になりました。(一部掲載紙では11日開始となっております。) [カタログ情報] 1932年ドレスデン(旧東ドイツ)生まれ。ケルン在住。世界で最も重要な画家の一人。東ドイツで美術教育を受けたが、西ドイツ旅行中に出会った抽象表現主義に強い影響を受け、ベルリンの壁ができる半年前にデュッセルドルフへ移住。1964年にミュンヘンとデュッセルドルフで初の個展を開催し、1972年のヴェネチア・ビエンナーレを皮切りに、ドクメンタ(5、7、8、9、10)等、多数の国際展に参加。1997年、第47回ヴェニス・ビエンナーレ金獅子賞を受賞。同年、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。日本では、2005年に金沢21世紀美術館と川村記念美術館で初の回顧展を開催。近年では、2011年から2012年にかけ、ロンドン、ベルリン、パリで大回顧展を開催。2013年、ミュンヘンのレンバッハハウスで「アトラス」展開催。2014年、スイスのバイエラー財団美術館の個展ではみずからが展示構成をおこない、高い評価を受けた。2016年、初のパーマネントスペースが瀬戸内海の愛媛県にある豊島(とよしま)にオープンする。
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