James Wellingジェームズ・ウェリング"Notes on Color"
このたび、2月5日(木)より、当画廊におきましてロサンゼルスを拠点に活躍しているジェームズ・ウェリングの新作展を開催する運びとなりました。3年振り6度目となる今展では、モダニズム建築を撮影した「Glass House(ガラスの家)」やコンピューターグラフィックを用いた「Quadrilaterals(四角形)」ほか、フォトグラムの最新シリーズを展示致します。 ウェリングはこれまで、アルミホイルやベルベットを用いた抽象的な写真、日常的断片を写したモノクロ写真、光のグラデーションで見せるフォトグラムなど、30年以上に渡り実に多様な作品を発表してきました。アナログかデジタルか、カメラを使用するかしないかということよりも、光、影、時間をコントロールすることに重点を置き、写真史を踏襲しながら、写真表現に対する実験的なアプローチを続けています。 “Glass House”では、出身地コネチカットにおよそ60年前に建てられたフィリップ・ジョンソン邸を撮影。カラーフィルターによる鮮やかな色彩やレンズフレアで強調された陽光が、一時的にフィルムに定着され、建築史上に残る邸宅の新たな表情を浮かび上がらせています。またグラフィックソフト(MAYA)を初めて用いた“Quadrilaterals”では、スキャニングした90種のボール紙をランダムに再構築し、画面上で陰影を加え、繊細な立体感を作り出しています。いずれのシリーズも、これまでの自身の作品に回帰、相関しており、幾重にも交差する光や時間が鑑賞者の意識を被写体そのものから、その背後に存在する不可視なものへと導きます。 「どんな写真にも常に具象的な要素と抽象的な要素は存在している」とウェリングは語り、作風を次々と変化させながら、「写真とは何か」を問い続け、光で描くということの可能性を一貫して追求しています。 ジェームズ・ウェリング(1951-)
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