Christopher Williamsクリストファー・ウィリアムス 

"For Example: Die Welt ist schön (Final Draft)"

1997年4月9日(水) - 5月10日(日)

Room 1

展覧会情報

Christopher Williamsクリストファー・ウィリアムス 

"For Example: Die Welt ist schön (Final Draft)"

会 期:

1997年4月9日(水) - 5月10日(日)

会 場:
Room 1
レセプション:
1997年4月9日 18:00-20:00

この度、当画廊におきまして、クリストファー・ウイリアムスの新作写真展を開催いたします。
クリストファー・ウイリアムスは、写真という素材を扱いながら、自分自身では写真を撮影せず、公式文書や書物などの資料のなかからコンセプトに合わせて写真を選んで用いたり、あるいは彼の指示によって、他の人に写真を撮影させるという一風変わった作風を持っています。
今展では、オランダののボイマンスミュージアムで、今春3月に開催中の新作写真展「ワールド イズ ビューティフル(ファイナルドラフト)」(For Example: Die Welt ist schön [Final Draft] )の中から、作家自身が今展のためにセレクトした約13点の作品が発表される予定になっております。ドイツの写真家のアルバート・レンガ=パッチェの写真集「Die Welt ist schön(世界は美しい)」(1928年出版)を原型にして、彼独自のバージョンを構築しています。

クリストファー・ウィリアムスは、1957年生まれ、コンセプチュアルアートの第二世代に属するアーティストである。彼は、自身では写真を撮影せず、公式記録や書物からイメージを選んだり、また、彼の指示により他の人間が撮影した写真を作品に用いるという作風を持っている。
彼の新作は、連作 "For Example: Die Welt ist schön" の完結編。このシリーズのタイトルは、ドイツの写真家のアルバート・レンガ=パッチェの写真集「Die Welt ist schön(世界は美しい)」(1928年出版)名づけられた。この写真集は、徹底的に客観的な視線によって「もの」(人、植物、建築物、風景)をクローズアップで撮影し、そのシンプルな美しさをとらえた硬質の名作である。クリストファーは、アルバート・レンガ=パッチェを始めとするモダニズムの写真とその歴史に興味があると言う。
古い世界観を知ることと同様に、現在消えつつあるモダニズムに立ち返って、それを再考することによって、写真の可能性を探り直すことが必要だと彼は述べている。クリストファー・ウィリアムスの写真作品は、人物、建物、風景、静物などを対象にしているが、それらの作品は一見すると非常にドキュメンタリー調である。作品のタイトルにしても、対象物の特徴や詳細な事実を事細かに表記している。例えば、タイプライターを撮影した写真のタイトルには、タイプライターの機種や製造メーカー、製造月日、サイズなどの詳細が記されている。写真に撮し出されたイメージは、徹底的に客観視されており、強い主観は感じられない。人はその作品とタイトルを観たとき、この写真には一体どんな意味が込められているのか、といぶかるかもしれない。事実を事実として撮していることが、観るものを不安で懐疑的な気持ちにさせる。
彼が写真作品のなかで問いかけているのは、一つの文化の中の固定したものの見方(刷り込み)を取り外すことによって、様々な見方が可能であるという事である。一つの対象物を見るときにも、それを見る人の方法論や、コンテクスト、バックグラウンドによって、一つのものはそれぞれ違う意味を持つものになる。一つの対象物(作品)のなかで、そのような思考様式の違う要素同士を同時に存在させ、そしてそれらを対話させることに、作家は興味を持っている。そして彼は、ニュートラルでドキュメンタリー調の写真の表現方法をあえて取ることによって、その内側にある思考の多様性を強調している。